2013年5月5日日曜日

最近の研究テーマ

リンパドレナージという名称は医療系、美容系などで共に使われているリンパを流す方法としての用語です。しかし、リンパ浮腫などの治療目的で浅層リンパを優しい圧でドレナージする法と、健常な方を対象とする一般的なサロンで施術されているリンパを流す法では圧や流す方法など違いがあります。(もちろんセラピストのトレーニング受講資格や内容、期間、認定方法なども違います。)
そのため、リンパ浮腫のある方が医療系ではないサロンで施術を受けて、その後悪化させてしまった悲しいケースなどが看護系雑誌などで報告されています。でも、この情報は一般のサロンの皆さんにもお伝えした方がいいですよね。一方を非難する発言ではなく、リンパ浮腫の方は専門外来にて施術を受けれるようにリンパに関係している皆さんが協力しあうのが理想的かと思います。
でないと、あたかも医療系以外の施術方法は全面否定されているかの印象を与えるのではと危惧されます。
しかし、果たして本当に全て事実でしょうか。中には医療機関と連携してるリンパサロンもあるのです。不幸にしてリンパ浮腫が悪化してしまったケースでは、弾性着衣が正しく使用されていなかったり、急激に運動始めたり、知らずに皮膚に傷をつけていたり、疲労が激しい仕事をしたり、ということもあります。
また、患者さん自身があえて癒しのサロンを求めて施術を希望されることもあります。そこで、一般のセラピストは治療目的のリンパ浮腫のケアはNOですと言う勇気を持つことが重要なのですが、まだまだリンパ浮腫の患者さんが気軽に相談できる病院での窓口は少ないようで、同じリンパの名称を使うサロンに通う方は未だたくさんおられるようです。
うちにも時折リンパ浮腫の方から相談がありますが、全ての方にリンパ浮腫専門外来か血管外科を先に受診することをお勧めしております。せっかくうちを選んでいただいても、誠に心苦しいのですが、うちは医療用ではないことを説明させていただきます。それでもと望まれる方には、リンパ浮腫以外の箇所を癒し目的でケアさせていただくことにして、専門外来をご紹介しています。

山名リンパケア研究所付属のルン・リンパケアアカデミーでは、あらゆるリスクを避けるためにも医療系により近い施術方法を意識しながら、医療系との違いを知るうえで、禁忌事項とともに、医療系リンパドレナージの授業を加えておりますが、現時点では、リンパ浮腫の方には施術しないことを条件に指導しています。私が看護師であるのに申し訳ない思いもあるのですが、私が実践するケアは、治療目的ではない癒しのケアですから、むしろ緩和ケアや高齢者ケアには応用できます。
一般的には疲労回復、未病対策、緊張緩和、抗加齢対策の一環としてスクールでは指導しており、効果も得られていますが、実際に通称、癒しのリンパケ(山名式リンパケア)はどれくらいリンパが流れているかはまだまだグレーゾーンの範疇です。足が細くなった、顔の浮腫みがとれた、肩の張りが取れた、尿量が増えた、便秘が治った、リラックスできた、癒された、などの確認はできていますが、データとして毎回出しているわけではありません。しかし、リンパケアという名称を使うのですから、例え癒しのケアでも、どれくらいの効果があるかは実証していく必要はあります。

そこで、今回、某大学の医師らの協力を得て、蛍光リンパ管造影にて実証することになりました。
この結果は、第3回癒しのケア研究会などで発表できればと考えております。

これからは未病対策が求められる超高齢者の時代です。ますます、癒しのリンパケアの需要供給度は高まると信じて、医療系とつながりながら、より安全性を高めていきたいと思います。

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